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不定愁訴(なんとなく調子が悪い)

不定愁訴(なんとなく体調が悪い)とは

不定愁訴とは、体調があまりよくない状態やさまざまな症状を自覚しているにもかかわらず、検査では異常が見つからない状態を指します。自覚症状は一定しているわけではなく、重くなったり軽くなったり、異なる症状が現れたり引っ込んだりすることが特徴です。女性の場合、女性ホルモンの変化や鉄不足、低血糖などによって不定愁訴が起こりやすいとされています。

不定愁訴(なんとなく体調が悪い)の治療

ヘモグロビン値や貯蔵鉄のフェリチン値が低い場合は、鉄剤の服用が推奨されます。同時に、食事の見直しや生活習慣の改善なども行われます。ホルモンの変化や低血糖による不定愁訴に対しては、生活習慣の改善が重要です。

漢方治療では、血液不足である血虚や気の不足である気虚が考慮され、漢方薬を用いて血や気を補うことでバランスを整えます。

病院での診察

漢方の診察では、特有の「四診」と呼ばれる手法が用いられます。問診や腹部・舌・脈の観察など、さまざまな要素を総合的に評価します。不定愁訴の症状は多岐にわたるため、漢方薬の効果によっては早期に改善される場合もありますが、中には長期的な服用が必要な症状も存在します。

漢方の効果を最大限に引き出すためには、医師や薬剤師との密なコミュニケーションが重要です。共同で治療に取り組むことが大切です。

不定愁訴のメカニズム

疲れや体の重さ、だるさ、睡眠の回復困難、集中力の低下、やる気の欠如、気分の落ち込みなど、体調がスッキリしないと感じたことはありませんか?これが不定愁訴と呼ばれる状態で、検査しても異常が見つからない状態を指します。
不定愁訴は一定の症状を持続するのではなく、重くなったり軽くなったり、さまざまな症状が現れたり引っ込んだりする特徴があります。

この症状は「婦人不定愁訴症候群」とも呼ばれ、女性により多く見られます。女性の場合、女性ホルモンの変化によって体調が影響されやすいため、思春期、性成熟期、更年期、老年期などのライフステージの変化に伴い、症状が現れやすいことが知られています。

女性に多い「鉄欠乏(鉄不足)」と「機能性低血糖」

不定愁訴の中で、女性によく見られる原因の一つは鉄欠乏(鉄不足)です。思春期や性成熟期の女性は、月経(生理)を除いて定期的に血液を失っています。血液中には体内の鉄の65%が含まれており、血液が失われると鉄分も不足することになります。

鉄は体内で最も多く存在するミネラルであり、赤血球の材料となり、体全体に酸素を運ぶ役割を果たします。また、骨や皮膚、粘膜の代謝や神経伝達物質の生成にも関与しています。鉄は私たちが健康な生活を送るために不可欠な役割を果たしており、鉄不足状態になると様々な症状(不定愁訴)が現れる可能性があります(下表参照)。

鉄欠乏の症状(不定愁訴)
身体の状態について、何となく体調が悪いという感覚や様々な自覚症状を訴え、検査をしても原因となる病気が見つからない場合を指します。「頭が重い」、「目の奥が痛い」、「疲れが取れない」、「よく眠れない」などと訴えることも多くあります。
参照:こころの耳|厚生労働省

鉄欠乏は女性の不定愁訴の主な原因の一つであり、血液中のヘモグロビン値やフェリチン値を確認することで診断されます。しかし、貧血と診断されなくても、隠れた鉄不足の可能性があります。フェリチン値は貯蔵鉄量を反映しており、血清フェリチン値が80ng/ml以下の場合、鉄不足による症状が現れることがあります。

ただし、不定愁訴の原因は鉄欠乏に限られません。機能性低血糖症と呼ばれる状態も女性の不定愁訴の一因となることがあります。機能性低血糖症は、糖尿病の前段階で、インスリンの調節異常により血糖値が低下します。

通常、私たちが摂取した糖分はインスリンによって運ばれますが、機能性低血糖症ではインスリンの調節がうまくいかず、血糖値が急激に減少します。これにより低血糖の症状が現れます。

低血糖の症状

血糖値が60‐70mg/dL未満になると、 「冷や汗がでる、気持ちが悪くなる、急に強い空腹感をおぼえる、 寒気がする、動悸がする、手足がふるえる、目がちらつく、ふらつく、力のぬけた感じがする、頭が痛い」などの症状が出現します。
参照:重篤副作用疾患別対応マニュアル|厚生労働省

機能性低血糖の原因は、甘いものやアルコールの過剰摂取、不規則な食事や栄養不足、ストレスなどによるものです。
甘いものを摂る理由が「疲れているから」とか「目を覚ますため」という場合、それが逆に低血糖による疲労感を悪化させ、不定愁訴を深刻化させる可能性があります。

このような糖分に偏った食生活は鉄欠乏の要因ともなります。つまり、機能性低血糖症の女性は同時に鉄不足の問題も抱えている可能性があります。

機能性低血糖症の診断には、5時間糖負荷試験やHbA1c検査が用いられます。5時間糖負荷試験では、一定量のブドウ糖を摂取し、一定時間ごとに血液を採取して血糖値やインスリンの変動を調べます。また、HbA1cは1〜2カ月間の平均血糖値を示し、6.5%以上は糖尿病、6.0〜6.4%は糖尿病予備軍とされます。若い女性の正常なHbA1c値は5.0%前後ですが、最近では5.5%以上の値が増えています。このような場合、甘い菓子やジュースを摂取しやすい食事や運動不足が考えられ、既に機能性低血糖症の状態にある可能性があります。

不定愁訴の薬物治療、非薬物治療

不定愁訴は症状の変動があり、検査では異常が見つけにくいため、西洋医学的な原因特定が難しいです。しかし、鉄欠乏が疑われる場合は鉄補給の薬物治療が行われます。また、「隠れ鉄不足」も食事改善で改善できる可能性があります。糖質摂取を減らし、適切な動物性タンパク質を摂ることが重要です。

一方、低血糖については、その病態を理解している人はまだ多くありません。ですので、まずは「低血糖の病態と問題点」を理解することが重要です。その上で、自分の食事傾向を客観的に把握する必要があります。食事改善では、糖質制限とともに、タンパク質、ビタミン、ミネラルの摂取に意識を向けることが大切です。また、早食いを避け、ゆっくりと噛んで食事することを心掛けましょう。

不定愁訴の漢方薬による治療

鉄不足が女性の不定愁訴の解決策として考えられがちですが、実際には女性ホルモンの乱れや糖の調整異常など、他の要因も関与していることがあります。また、鉄剤の副作用で摂取が難しい人もいます。そうした場合には漢方治療が選択されることがあります。

漢方医学では「気・血・水」という概念があります。鉄不足による不定愁訴には血(けつ)の異常である血虚(けっきょ)が関与していると考えられますが、個人によっては気の不足である気虚(ききょ)の状態になっていることもあります。

そこで漢方の独自の診断法を用いて、個人の体質や状態を考慮し、不定愁訴の改善に適した漢方薬を処方することがあります。

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