【漢方薬】葛根湯の正しい飲み方とは?風邪予防におすすめの3つのポイント

【漢方薬】葛根湯の正しい飲み方とは?風邪予防におすすめの3つのポイント

寒い季節になると、誰しもが心配するのが「風邪」です。

これまで風邪をひいたことがないという強靭な人はいません。

風邪は誰にでもかかるものであり、その治し方を知っておくことは重要です。

特に早めの対処が大切です。そんな時に頼りになるのが漢方の風邪薬「葛根湯」です。

今年は風邪に負けません!まずはしっかりと風邪予防を心掛けましょう。

そして、もし風邪をひいてしまった場合でも、ファースト漢方として「葛根湯」の飲み方をご紹介します。

目次

風邪をひくのはなぜ?

風邪のウイルスは200種類以上も存在していると言われています。冬の風邪ウイルスは、低温かつ乾燥した環境を好む特徴があります。これにより、冷たく乾燥した空気の中ではウイルスが長く生存し、私たちの周りに漂うことが可能になってしまいます。その隙を突かれると、ウイルスは私たちの体内に侵入します。このような外部要因に加えて、冬の季節は冷えや乾燥により免疫力が低下し、ウイルスの侵入や増殖を容易にしてしまうのです。こうした要因が風邪の原因となるのです。

葛根湯とは

風邪の初期症状では、体がゾクゾクと寒気に襲われ、何枚重ねても暖かくならず、不快な状態が続きます。同時に頭痛があり、肩や首のこりが生じ、頭が重くすっきりしない状態になります。

「葛根湯」は、風邪の初期症状や肩こり、鼻づまり、頭痛、筋肉痛、手や肩の痛みに効果があります。
風邪を悪化させずに早めに治すためには、保温に気を配り、栄養価の高い消化しやすい食事を摂取し、体を安静にすることが重要です。風邪が長引くと、体調が大きく悪化することが多いため、早期の治療が望ましいです。

葛根湯の効果効能

体力中等度以上のものの次の諸症:感冒の初期(汗をかいていないもの)、鼻かぜ、鼻炎、頭痛、肩こり、筋肉痛、手や肩の痛み

参照:一般用漢方製剤承認基準|厚生労働省

【漢方用語】風邪の正式名称は「風寒の邪(ふうかんのじゃ)」

まず、風邪の仕組みについて簡単に理解しましょう。

あなたは風邪を引きやすいとき、それは「寒い時期」ですか?おそらく多くの人がそう答えるでしょう。

実は、「風邪」という用語は漢方の言葉です。寒い時期に引き起こされる風邪の正式な名称は「風寒の邪(ふうかんのじゃ)」と言います。ここでの「邪」とは、外から攻撃してくる敵のことを指します。つまり、「風寒の邪」とは、寒さが攻めてくる敵という意味です。

実際に、風寒の邪の初期症状は、「寒気」や「透明な鼻水」といった、体の表面が冷えて起こる症状が見られます。

風邪対策で一番大切なのは「風邪の引き始め」

寒い敵が攻めてきても、体内に侵入させなければ問題ありません。

風邪はまさに予期せぬ訪問者です。風邪の初期段階は、敵がドアベルを鳴らしている状態と言えます。うっかり彼らを家に入れてしまうと、彼らの思い通りになってしまいます。

一度中に入ってしまうと、なかなか出て行ってくれません。ドアベルが鳴った瞬間にすぐに気づいて追い払えば、風邪を引き込むことなく、すぐに回復することができます。

風邪対策で最も重要なのは、この「初期段階」です。風邪をひいたかなと感じたら、すぐに敵を撃退しましょう!

カラダをしっかり温める

敵を追い払うためには、どのような方法が有効でしょうか。

風邪をひいたと感じた時に、無意識に厚着をしたり、毛布にくるまったり、温かい飲み物を摂ったりしていませんか?これらは、敵を追い払うための無意識の抵抗です。

寒い敵は「熱」に弱いため、体を温めることで彼らの侵入を難しくします。まさに「熱のバリア」です。「風邪をひいたかな…」と感じたら、まずはしっかりと体を温め、熱のバリアを強化しましょう。

発熱は冷まさない

意外と見落としがちなのは、「発熱」に対する対応です。

「なんとなく…」という理由で解熱剤を使って体温を下げようとしたことはありませんか?

敵の強さに応じて、追い払うために必要な「熱」の量は異なります。弱い敵ならば厚着や温かい飲み物程度で追い払えますが、強い敵には対抗できません。

そのため、敵が強いと感じると体は熱のバリアを強化するために、さらなる熱を補充しようと「自家発熱」という反応を始めます。これが風邪の初期段階で現れる「発熱」の正体です。

つまり、風邪の初期の発熱は、体が敵を追い払うために奮闘している免疫反応なのです。この発熱を冷まそうとすることは、免疫反応を弱め、敵を招き入れる行為となります。

風邪予防の3つのポイント

ウイルスを持ち込まない

外からウイルスを持ち込まないようにすることは非常に重要です。外出から帰ったら、まず手洗いとうがいをしましょう。

ウイルスはくしゃみや咳で飛び散ったり、感染した手で触れた物に付着します。それらの場所を介して、ウイルスは広がっていきます。

つり革やドアノブ、密閉された空間の中のエレベーターや電車、パソコンのマウスやキーボード、エレベーターのボタンなど、外出先では多くの場所がウイルスと接触する可能性があります。

接触を完全に避けることは難しいですが、外出から帰ったら徹底的に手洗いとうがいを行いましょう。

なお、インフルエンザウイルスの増殖は約16時間で1万倍にもなると言われています。ですから、ウイルスを持ち込まないことが非常に重要です。

ウイルスを入れない

ウイルスは鼻やのどの粘膜を通じて体内に侵入します。粘膜の保湿をしっかりと行い、ウイルスが体内に入らないようにすることが重要です。

のどの粘膜には繊毛と呼ばれる器官が存在し、異物が入ってきた場合に体外に排出する働きを持っています。繊毛は常に潤っている状態でなければならず、乾燥してしまうとその働きが弱まってしまいます。そのため、潤いは非常に重要です。また、同じ気温でも湿度が高いとウイルスの生存率は低下します。

ですから、マスクを着用して気道の潤いを保ったり、室内の湿度を適切に保つことでウイルスを遮断することが大切です。

また、内側からの体の保湿も重要です。豚肉やはまぐり、牛乳などの食材は体を潤す効果があるとされています。日常の食事に取り入れる際にも意識してみましょう。これらはスーパーで手に入れることのできる身近な薬膳食材です。

ウイルスを増やさない

強い身体を作るためには、ウイルスと戦う力を高めることが重要です。

体温の冷えはさまざまな病気のもととなります。身体を温めることが、強い身体を作る鍵となります。特に首の周り、首、足首、手首、腰回りは血管が多く集まっており、皮膚が薄いため、ここを温めることが非常に効果的です。

寒い日にマフラーを巻くことと巻かないことでは、体感温度に大きな差があることを経験されたこともあるかと思います。室内でも冷え込む冬場では、レッグウォーマーやストールなどを利用して、外部からのケアを徹底しましょう。

また、腰回りの温めも忘れずに行いましょう。腹巻やカイロを使用することも良いですし、内部からお腹周りを温めるためにはシナモンや生姜を含んだ飲み物がおすすめです。温かい飲み物は心も温まりますね。体を温めることで免疫力が向上し、ウイルスへの抵抗力も高まります。

特に疲れを感じた時は、抵抗力が弱まり風邪を引きやすくなることがあります。先に紹介したポイントに加え、十分な睡眠と軽い運動を取り入れることも積極的に行い、風邪を引きにくい体を作りましょう。

葛根湯は風邪の引き始めに効果的な漢方薬

風邪の際に思い浮かぶ漢方薬として、多くの人が「葛根湯」という名前を知っているかもしれません。

一般的によく知られている漢方薬ですが、葛根湯の効果を感じるためには飲むタイミングが非常に重要です。

「葛根湯を飲んだけれど効果を実感できなかった…」という場合は、飲むタイミングが適切でなかった可能性があります(または、症状に合っていなかった場合もあります)。

効果を最大限に引き出すためには、初めて「ゾクゾク」と感じた瞬間にすぐに飲むことが重要です。

漢方薬は基本的に、食事前または食事との間に服用します。葛根湯も同様です。市販の葛根湯は主に顆粒状の形態で販売されていますが、錠剤やドリンクタイプなど飲みやすい形態もあります。

自分にとって飲みやすい形態を選びましょう。葛根湯は体を温め、発汗作用を促すことで効果を発揮しますので、お湯ではなく白湯(熱い水)で服用するとより体が温まります。

葛根湯は風邪の初期症状や頭痛、肩こりなどにも使用できる漢方薬です。運転をする方や受験生など、眠気を催すことのない薬を服用したい場合でも安心して使用できます。

まずはうがいや手洗い、マスクの着用などでウイルスから身を守ることを心掛けましょう。それでも「何となく風邪をひきそう…」と感じた場合は、葛根湯を試してみましょう。今年こそ風邪知らずの冬を迎えましょう。

※「葛根湯」は風邪の初期症状(頭痛、寒気、鼻水、首の違和感など)に対して効果を発揮します。風邪症状が長引く場合は、他の漢方薬が適している場合があります。タイミングと現れている症状に応じて、適切に漢方薬を選びましょう。

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この記事を書いた人

KAMPO楓堂 代表

国際中医師・国際中医薬膳師
温活指導士・温活薬膳料理士
登録販売者

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