次のような症状をお持ちではないでしょうか?
- 長期間にわたり頭痛が持続している
- めまいを感じることがある
- 特に朝方に辛さを感じることがある
高血圧症は自覚症状がほとんどなく、患者が気づかないうちに発症することがよくあります。
そのため、血圧を定期的に測定し、自己管理することが重要です。
また、高血圧に伴う症状や体質の改善に関する漢方医学の考え方や漢方薬の利用についても紹介します。
高血圧と漢方|血圧とは血管にかかる圧力のこと
心臓は24時間で何万回も収縮と拡張を繰り返し、血液を全身に送り出します。このとき、血液が血管にかかる圧力を我々は「血圧」と呼びます。
心臓の動きをポンプから水を送り出す仕組みに例えると、心臓がポンプであり、血管がホースです。ポンプから流れ出る水が多ければ多いほど、ホースにかかる圧力も高まります。
同様に、心臓から送り出される血液が増えれば、血管にかかる圧力が上昇し、血圧が高くなります。また、心臓が送り出す血液量が一定でも、血管が細くなると血圧は上がります。
心臓が収縮して血液を送り出すときは、血液の量が多くなり、血管に最も圧力がかかるため、この時の血圧を収縮期血圧(最高血圧)と呼びます。
一方、心臓が拡張する際には、血管の圧力は最も低くなり、この時の血圧を拡張期血圧(最低血圧)と言います。
血圧は一定ではなく、体温と同様に常に変動しています。例えば、激しい運動をすると多くの血液が必要となり、血圧が上昇します。
また、24時間を通して考えると、朝は一日の活動の準備のために血圧が上がり始め、昼間の活動期では高くなり、夕方になると徐々に下がっていきます。
高血圧と漢方|高血圧とはどんな状態?
血液の循環において、血管にかかる圧力を「血圧」と呼びます。心臓の筋肉が収縮して血液を全身に送り出す際の圧力を「最高血圧」、心臓の筋肉が弛緩したときの圧力を「最低血圧」といいます。
本来、血圧は常に変動しており、集中していたり運動をしていたりすると一時的に血圧が上昇することは正常な反応です。
ただし、安静時においても血圧が下がらず、恒常的に高い状態が続くと「高血圧症」と診断されます。
現在、西洋医学の基準では、最高血圧が140mmHg以上、最低血圧が90mmHg以上の状態が持続すると高血圧症と判定されます。
高血圧と漢方|高血圧症の主な原因
血圧の上昇には多くの要因が絡み合い、明確な原因が特定できない高血圧が9割以上を占めるとされています。
一般的に知られている要因としては、「塩分の過剰摂取」が挙げられます。過剰な塩分摂取により、血液中の塩分濃度が上がります。
これに対応して、体内は血管内に水分を引き込んで塩分を希釈しようとします。その結果、血液の量が増え、血管にかかる圧力(血圧)が上昇します。
他にも、過度の緊張やストレス、飲酒や喫煙、肥満、運動不足、遺伝的要因などが血圧の上昇に寄与します。高血圧は通常、自覚症状が少ないため、頭痛、耳鳴り、肩こり、動悸などの症状を引き起こすこともあります。
自覚症状が明確でないからといって高血圧を放置すると、知らないうちに進行し、動脈硬化や脳卒中、心筋梗塞などのリスクを高める可能性があります。
そのため、早めの治療が重要です。自己管理を意識し、健康診断や血圧測定を定期的に行い、予防に努めることが大切です。
高血圧と漢方|高血圧症の主な症状
高血圧症はしばしば自覚症状が現れない場合が多く、それゆえに進行していることに気付かないことがあります。
健康診断を受けたり、定期的に血圧を測定したりすることで、自ら血圧の状態を把握することが重要です。
高血圧症には自覚症状が出にくいものの、血圧が上昇する際に以下のような症状が伴うことがあります。これらの症状が頻繁に現れる場合は、血圧との関連を確認することが大切です。
また、症状が血圧の上昇を示すサインであると認識すれば、生活の改善に繋げることが可能です。
- 頭痛
- めまい、ふらつき
- 肩こり
- ほてり、のぼせ
- イライラしやすい
- 不眠
- 目の充血
- 顔が赤くなる
- 耳鳴り
- 胸や脇部の張り感
- みぞおちの痞え
- 口が苦く感じる
- むくみ
高血圧症によく使われる漢方薬
漢方医学において、高血圧の原因は「五臓六腑」と呼ばれる内臓の不調や「気血水」というエネルギーや栄養の乱れに起因すると考えられます。
これらのバランスが崩れることで、身体の調和が乱れ、血圧が上昇するとされています。
漢方治療では、五臓六腑と気血水のバランスを整えることを重視し、適切な血圧を取り戻すように導いていきます。
自覚症状がある場合にはそれを改善し、血圧の安定や正常化を目指すことが治療の目標となります。漢方薬や治療法を用いて体内のバランスを整え、健康な血圧を維持するサポートを行うことが漢方医学のアプローチです。
釣藤散は高血圧や慢性頭痛におすすめの漢方薬
釣藤散(ちょうとうさん)
その他にも高血圧症に使われる代表的な漢方薬には下記のようなものがあります。これらの漢方薬は、高血圧の改善や症状の緩和に役立つ成分を含んでいます。
ただし、個々の体質や症状に応じて適切な漢方薬を処方することが重要です。専門家の指導のもとで使用することをおすすめします。
- 柴胡桂枝湯
- 天麻地黄湯
- 黄連解毒湯
- 逍遙散
- 龍胆瀉肝湯
- 大柴胡湯
- 桂枝茯苓丸
高血圧の随伴症状のタイプをチェック!
自分のタイプを理解し、適切な生活方法を選ぶことが重要です。そして、漢方薬を使用する際には、必ず専門家の指導を受けて服用しましょう。
個々の体質や症状に応じた漢方薬の選定と使用方法を専門家に相談することで、より効果的な治療が期待できます。
自己判断せずに、専門家のアドバイスを仰ぐことをおすすめします。
- 一日を通じて血圧が高い
- めまいやふらつきがある
- ジーという低い耳鳴りがする
- 足腰がだるい
- 頭痛や目の充血を伴う
- イライラしやすい
- 手足の先がしびれる
- 下の血圧が高い
- 立ち上がる時にふらつく
- 上の血圧が高い
- 朝から血圧が高い
- 夕方から夜に血圧が上がりやすい
- 疲れやすい
- 緊張して肩や背中がこる
高血圧に悩む方へ
漢方相談では、お客様一人ひとりの症状や体質をじっくりとカウンセリングし、それに合った漢方薬の提案や体質の根本的な改善のための生活アドバイスを行っています。
日々を快適に過ごすために、ぜひ漢方相談をご活用ください。
専門家の視点から的確なアドバイスを得ることで、健康状態の向上につながる可能性があります。
コメント