漢方薬とは?

漢方薬とは?

現在日本で使用されている漢方薬は、これまでの長い歴史と経験から、構成生薬の量や種類が決められており、第2類医薬品として効能効果が認められています。

漢方薬の原料となるものを生薬と呼びます。この生薬には、自然にある様々なものが含まれており、植物の根や茎、花、鉱物、動物などがあります。

かぜの薬や肩こりの改善としてよく使用される「葛根湯」も複数の生薬が組み合わさってできた漢方薬なのです。

葛根湯には、葛根を主成分として、麻黄、生姜、芍薬、桂枝、大棗、甘草の7種類の生薬からなります。

漢方薬は基本的に2種類以上の生薬で構成され、多くの成分を含むことで、様々な症状にも対応することができます。

漢方薬のメリットは、病院に行っても異常がなく、自覚症状はあるような病気に向いていることです。

未病に効果的な漢方薬

このように病気とまではいかないけれど、カラダの調子が悪いことを未病(みびょう)と呼び、未病の場合には西洋医学ではなく漢方を使用することがよくあります。

未病や女性に多い悩みとして、カラダの疲れや冷え症、更年期などがあります。

はじめのうちは軽い症状である未病の段階で、症状を改善することで、より健康的な状態へ近づけることができます。

アレルギーや冷え性、ストレス、胃腸障害などは、漢方の得意分野とする症状です。

漢方薬の効果

冷え性改善

冷え性の原因としては、月経や更年期障害によるホルモンバランスの乱れや血行障害による瘀血、ストレスによる自律神経の乱れ、胃腸機能の低下、睡眠や食生活などが考えられます。冷え性には全身が冷える、手足だけが冷える、顔はほてるのに手足が冷えるなど人によって症状が異なります。漢方では、冷えの原因や体質を様々な視点で考えて改善していきます。

冷え性と漢方

肩こり改善効果

漢方では肩こりの原因は身体の冷えによる気や血の滞りであると考えます。首や肩の筋肉が緊張して、肩周辺の血の巡りが悪くなると疲労物質が蓄積されて肩こりが起こります。長時間のデスクワークや姿勢が悪い状態が続く、ストレス、高血圧などが原因でも肩こりとなります。同じ肩こりでも、冷え体質や高血圧体質などよって漢方薬は異なります。

肩こりと漢方

不眠症の改善

不眠には、「横になってもなかなか眠れない」、「朝早くに目が覚めてしまう」、「夜中に何度も目が覚める」、「眠りが浅い」などの症状があることを不眠症といいます。不眠になる原因は、騒音や室温などの生活環境やストレス、疲れ、自律神経の乱れなども関係しています。心と身体のバランスを整えて、本来の自然な睡眠へ戻すことを目的として改善を図ります。

頭痛の改善

頭痛には、緊張型頭痛や偏頭痛があります。偏頭痛は頭の片側もしくは両方に痛みが発生し、吐き気を伴なう場合があります。一方で緊張型の頭痛は後頭部から頭全体に締め付けられるような痛みを感じます。頭痛の原因は、精神的・身体的なストレスや、眼精疲労、気の上昇や異常などがあります。偏頭痛や緊張型頭痛に対して効果的な漢方薬で改善につなげていきます。

更年期障害

更年期障害は気や血が不足したり、巡りが悪くなったりしている状態と考えます。更年期の原因には人間関係などの環境によるものなども。漢方にとって、更年期障害は得意とするところです。漢方は不調の原因となる根本的な部分に対してアプローチをすることで、複数の症状を漢方で改善へ導くことができると期待できるからです。

肥満・むくみ改善

身体の中に余分な水分や脂肪が溜まっている状態を肥満といいます。漢方では、脂肪太りタイプと水太りタイプに分けて考えます。どちらの原因も食べすぎや運動不足など、生活習慣を改善することが基本ですが、脂肪太りタイプの場合は体内の余分な熱を取り除くことを考えます。水太りタイプは体内の余分な水分を排出するような漢方薬が効果的です。