風邪

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風邪とは

風邪は、ウイルスの種類や感染した部位によってさまざまな症状が現れます。
代表的な局部症状には、咳やたん、咽頭痛、鼻汁(鼻水)、鼻閉(鼻づまり)などがあります。
また、代表的な全身症状には、発熱、倦怠感、悪寒、頭痛、筋肉痛、下痢などがあります。

風邪の治療

漢方医学では、風邪に罹った場合にはまず体を温めて早期の回復を促すことを目指し、治療を行います。

病院での診察

一般的に、病院では解熱鎮痛薬や抗ヒスタミン薬がよく処方されます。もし風邪が悪化して細菌感染が起こった場合、抗菌薬が使われることもあります。しかし、最近では漢方治療を専門とする医師も増えてきています。

風邪(風邪症候群)は、口や鼻から侵入した細菌やウイルス(主にウイルス)が粘膜に感染し、急性症状が現れる状態です。インフルエンザも風邪の一種です。細菌やウイルスの種類によって、喉の症状(咳や痛み)、鼻の症状(くしゃみや鼻水)、消化器の症状(吐き気や下痢)、関節の症状(関節の痛み)、発熱などが現れます。

風邪は単一の病気ではなく、主に上気道(鼻や喉など)の急性炎症性症状をまとめたものです。正式には「風邪症候群」と呼ばれ、急性鼻咽頭炎(普通の風邪)や急性気管支炎、インフルエンザなど、さまざまな病名が含まれるグループとして認識されます。

風邪(かぜ)のメカニズム

風邪は単一の病気ではなく、主にウイルス感染による上気道(鼻腔や咽頭など)の症状を引き起こすウイルスは200種類以上存在します。代表的なものには、インフルエンザウイルス、コロナウイルス、ライノウイルス、アデノウイルスなどがあります。風邪は乾燥した冬だけでなく、高温多湿な夏の時期にも感染が起こることがあります。風邪の症状はウイルスの種類や感染した体の部位によって異なります。局部症状と全身症状に分類されますが、一つの症状だけではなく、通常は複数の症状の組み合わせとして現れます。

風邪症候群の薬物治療

風邪の原因となる病原体の多くはウイルスですが、抗菌薬ではウイルスを殺すことはできません。風邪は自然に治癒する病気であり、基本的な治療は安静、保温、栄養、水分補給です。病院では解熱鎮痛薬や抗ヒスタミン薬が処方され、他の症状に応じて鎮咳薬や去たん薬、ビタミン剤なども使用されます。風邪が細菌感染を引き起こす場合は、抗菌薬が使用されることもあります。漢方治療も一部の医師によって行われています。一般薬局で販売される感冒薬は、症状の緩和を目的として解熱鎮痛成分や抗ヒスタミン成分などが配合されています。ただし、インフルエンザは風邪とは異なる病気であり、重症化する可能性があるため、抗インフルエンザ剤の使用が一般的です。

漢方薬による治療

漢方医学では、風邪にかかった場合には体を温めて治癒を早めることが目的とされます。風邪には様々な症状が現れるため、その人の体力や症状、証の状態に合わせて漢方薬が選ばれます。風邪の初期症状や実証の人にはからだを温めて発汗を促す薬が使用されます。代表的な薬として葛根湯や麻黄湯が挙げられます。葛根湯は体を温めて悪寒や発熱を緩和する効果があります。麻黄湯は発汗を促進する強力な薬で、重い風邪症状に使用されます。桂枝湯は軽度の風邪に適しており、汗がジワジワと出る効果があります。また、体力の低い年配の人や女性に見られる寒さや顔色の青白さ、咳やのどの痛みには麻黄附子細辛湯が使用されます。さらに、咳がひどい場合には麦門冬湯、痰の多いせきで不眠が続く人には竹茹温胆湯、胃のつかえや痛みが起こりやすい場合には柴胡桂枝湯などが選ばれます。それぞれの漢方薬は、症状に合わせて正常な状態に戻すために使用されます。

漢方薬 作用・効果
葛根湯 体を温めて悪寒や発熱を緩和する
麻黄湯 発汗を促進する強力な薬で、重い風邪症状に使用
桂枝湯 軽度の風邪に
汗がジワジワと出る効果
麻黄附子細辛湯 体力の低い年配の人や女性に見られる寒さや顔色の青白さ、咳やのどの痛みに
麦門冬湯 咳がひどい場合に
柴胡桂枝湯 胃のつかえや痛みが起こりやすい場合に

風邪の治療で用いることの多い漢方薬

急性期

実証

虚証

麻黄湯(まおうとう)
体力充実して、寒気があり発熱、頭痛、咳があるの方の風邪、鼻かぜなど
葛根湯(かっこんとう)
体力中等度以上の方の風邪の初期(無汗)、鼻かぜなど
小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
体力中等度又はやや虚弱で、うすい水様のたんを伴うせきや鼻水がでる方の風邪、鼻炎など
桂枝湯(けいしとう)
体力虚弱で、あせが出る方の風邪の初期
麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)
体力虚弱で、手足に冷えががあり、ときに悪寒がある方の風邪
真武湯(しんぶとう)
体力虚弱で、冷えがあって、疲労倦怠感がある方の感冒など
香蘇散(こうそさん)
体力虚弱で、神経過敏で気分がすぐれない方の風邪の初期など
慢性期

実証

虚証

麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)
体力中等度以上で、せきが出て、ときにのどが渇く方の感冒など
柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)
体力中等度又は虚弱で、ときに微熱・はきけがある方のかぜの中期から後期の症状など
竹茹温胆湯(ちくじょうんたんとう)
体力中等度の方のかぜ、回復期に熱が長引いたり、せきやたんが多いものなど
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
体力虚弱で、元気がなく、胃腸の働きが衰えて、疲れやすい方の感冒など
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この記事を書いた人

KAMPO楓堂 代表

国際中医師・国際中医薬膳師
温活指導士・温活薬膳料理士
登録販売者

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