不眠に効く漢方薬は?タイプ別で選ぶ睡眠改善と自律神経の整え方

布団に入っても目が冴えて眠れなかったり途中で何度も目が覚めてしまったりする不眠の悩み。
疲れが取れず日中の活動にも支障をきたしてしまいます。そこで今回は不眠に効果的な漢方薬に注目。
原因となる気や血の乱れを解説しイライラ型やクヨクヨ型など体質に合わせた選び方について詳しくご紹介します。
不眠の原因と漢方における気血の乱れ
医学的に不眠症とは入眠障害や中途覚醒早朝覚醒熟眠障害などが続き日中の心身に不調を感じる状態を指します。ストレスや生活リズムの乱れなど原因は多岐にわたりますが睡眠薬で強制的に眠らせるのではなく自然な眠りを取り戻したいと考える人が増えています。漢方医学において不眠は心の栄養不足や精神の安定を司る五臓の乱れによって引き起こされると考えます。特に生命エネルギーである気と全身に栄養を運ぶ血のバランスが崩れると脳が興奮状態になり眠れなくなります。漢方では不眠を単なる症状としてではなく体全体のバランスの崩れとして捉え不足しているものを補ったり滞っているものを巡らせたりすることで本来の睡眠リズムを取り戻していきます。
五臓の心と睡眠の関係
漢方では五臓の中でも心が精神活動や意識睡眠をコントロールしていると考えます。心に十分な血が蓄えられていれば精神は安定し安らかな眠りにつくことができます。しかし過労や悩み事で心の血が消耗すると精神不安や動悸が生じ不眠につながります。これを心血虚と呼び脳が栄養不足で休まらない状態と定義します。
不眠のタイプ別おすすめ漢方薬と選び方
一口に不眠と言ってもその原因や体質は人それぞれです。自分の不眠タイプに合った漢方薬を選ぶことが改善への近道です。
イライラして眠れないタイプへの漢方
仕事のストレスや人間関係の悩みでイライラし神経が高ぶって眠れないタイプには抑肝散(よくかんさん)や柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)が適しています。これらはストレスによって滞った気の巡りを良くし高ぶりすぎた神経を鎮める働きがあります。特に抑肝散は歯ぎしりをする人や怒りっぽい人に柴胡加竜骨牡蛎湯は動悸や不安感を伴う人に効果的です。また女性ホルモンの乱れによるイライラ不眠には加味逍遙散(かみしょうようさん)が選ばれます。
疲れすぎて眠れないタイプへの漢方
体は疲れているはずなのに目が冴えて眠れないあるいは眠りが浅く夢ばかり見るタイプには酸棗仁湯(さんそうにんとう)や加味帰脾湯(かみきひとう)がおすすめです。これらは心身の疲労により消耗した血を補い精神を安定させる作用があります。酸棗仁湯は心身が疲れきっているのに眠れない時に加味帰脾湯は貧血気味で胃腸が弱くクヨクヨ悩みやすい人に最適です。
夜中に目が覚めるタイプへの漢方
夜中に何度も目が覚めてしまう中途覚醒やトイレに起きるタイプには八味地黄丸(はちみじおうがん)や清心蓮子飲(せいしんれんしいん)などが用いられます。加齢により腎の機能が低下すると夜間頻尿になり睡眠が妨げられます。体を温めて腎機能を補うことで排尿トラブルを改善し朝までぐっすり眠れるようにサポートします。
漢方で不眠を解消する生活習慣と養生
漢方薬の服用と合わせて生活習慣を見直すことで不眠改善の効果をより高めることができます。
香りの活用と深呼吸で漢方効果アップ
気の巡りを良くするために香りの良い食材やアロマを活用しましょう。シソやミント柑橘類などは気の停滞を解消しリラックス効果をもたらします。また寝る前に深呼吸を行うことは副交感神経を優位にし漢方薬の効き目を助ける良い養生法です。お腹に手を当ててゆっくりと息を吐き出す腹式呼吸を繰り返すことで高ぶった神経が鎮まります。
胃腸を労り血を作る食事
睡眠の質を高めるためには血を補うことが重要です。ナツメやクコの実竜眼肉などのドライフルーツやほうれん草レバー赤身肉などを積極的に食事に取り入れましょう。漢方では胃腸が健全であって初めて食べたものから気や血が作られると考えるため寝る直前の食事や冷たいものの摂りすぎは避け胃腸を温かく保つことが快眠への第一歩です。
不眠と漢方薬に関するよくある質問
不眠対策として漢方薬を取り入れる際によくある疑問について専門家の視点からお答えします。
Q1. 漢方薬は飲んですぐに眠れますか
睡眠薬のような即効性はなく飲んですぐに意識がなくなるような眠り方ではありません。漢方薬は不眠の原因となっている体質の偏りを整えることで自然な眠気を誘うものです。服用を続けることで徐々に寝付きが良くなったり朝まで眠れるようになったりと睡眠の質が変化していきます。まずは2週間程度続けてみてください。
Q2. 病院の睡眠薬と一緒に飲んでもいいですか
基本的には併用可能ですが薬の種類によっては注意が必要な場合もあります。睡眠薬を急にやめると反動で眠れなくなることがあるため医師と相談しながら漢方薬を併用し徐々に睡眠薬の量を減らしていく方法が一般的です。自己判断で調整せず必ず専門家に相談してください。
Q3. 昼間に眠くなりませんか
漢方薬は強制的に脳を鎮静させるものではないため日中に強い眠気が出ることは少ないとされています。しかしリラックス効果が高い処方の場合は人によって眠気を感じることがあります。その場合は運転前などを避け夕食後や寝る前に服用するようにタイミングを調整してください。



























コメント